黒髪の悪魔

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「筑紫さんぐらいには言っておいたらどうだ」 あの人はこういう事を面白おかしく言う性格ではないし、なにかと見えないようにフォローもしてくれるだろう。 「筑紫さんはもうご存知ですよ」 「は!?触らせたのか!?」 「あの人は雑食そうなので触らせません。」 「あの人は獣か?」 熊っぽいが、可哀相な言われようである。  「筑紫さんは言わずとも気づいていたようです。この間雨の現場の時に、女は腹冷やすんじゃねーよって言ってましたし、私の尻をやたら叩くし。」 「………それは立派なセクハラだぞ」 「その後しっかり倍にして返すようにしたら、懲りたようです。」 さぞかし酷い目に合ったに違いない。  自業自得だが。
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