黒髪の悪魔

64/91
前へ
/277ページ
次へ
今まで俺は何回か、今井を誘った記憶がある。  一緒に住んでからは、今井からは聞かれないのだが、外出時に行き先を伝えるようになっていた。  俺が出かけるのは主に初花がらみだけだから、その都度今井に声はかけている。 しかし、今井は一度もイエスとは言わなかった。  ただ微笑んで、いってらっしゃいと言うだけ。 俺も必要以上に誘いはしないし、一緒に住んでいるだけでお互い過度な干渉はしない。  だからいつも声をかけるだけだった。
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3165人が本棚に入れています
本棚に追加