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鎌宮町に住む彼の名前は藤丸亮介。ごく普通の高校一年生である。
今彼はジリジリとしつこく鳴る目覚まし時計を止めて起きたところである。
「────」
まだ意識がはっきりとしないがそれでもゆっくりと起き上がり、止めた時計を見てみる。
「六時半か───」
ねみ、等と呟きつつ部屋から出て一階のダイニングキッチンへと歩を進め、そしてダイニングキッチンに着き適当に一人で朝食を済ませる。
唐突だが彼には親は居ない。正確には亡くなっている。
亮介の両親は彼が中学卒業の後日に事故で他界、そして亮介は親戚に預けられることとなったのだが彼はそれを断固として拒否。本人曰く「親が居なくても、もう高校生なんだし一人で生きていける」とのこと。
しかし、学生が一軒家で一人で暮らすというのは生活費や授業料と色々と大変なのは言うまでもないのだが、それに関しては親戚がなんとかするということなので、とりあえずバイトで食費だけは稼いでいる。
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