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「ご、ごめんなさい! ここんなに格好良くて優しいからてっきり…」
秋は慌てて頭を下げているが、亮介は今の彼女の言葉にまた恥ずかしくなってきた。何せさりげなく格好良くて優しいとか言ってきたからだ。
まぁとにかくそんなこんなで宿に戻ってきた二人は裏に回って太一を紐に繋がせて中に入る。そして二人は驚き唖然した。秋の手から散歩用の道具一式が全て落ちた。
そこには所々に寝癖を立てて、昨日のように浴衣を乱したままの美香が頭を押さえながら眠そうに立っていたからである。
しかも更にまた肩がはだけており、動くごとに浴衣はずれ落ちて今にも下着だけの姿になってしまいそうだ。そうなればエロいことこの上ない。
「うぅ……頭痛い…」
どうやら服の乱れに気付いていない美香はそうムニャムニャとしながら呟いた。頭痛がするのはお酒以外の何者でも無いだろう。
ここで、もう受けているだろうが改めて教訓。未成年者は飲酒禁止。頭痛以外でも色々危なくなるから。今の彼女みたいに。
「あ……亮介くんに秋さん、おはよう…」
それでも美香は頭を押さえながらニッコリと笑顔で挨拶してくるとソファーに向かい始める。歩くたびに浴衣はどんどんずれ落ち、二人はわーわーと大慌て。
「ま、待て美香! それ以上動くな!」
「どうして? 大丈夫だよー。頭痛なら我慢できるから」
またニッコリ。駄目だ、話が通じてない。
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