~11月上旬~

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木曜日の三時間目の実習の時間、私、遠藤千春は他7名の男子と一緒に電気科職員室へと呼ばれた。           (なんだろー。やっぱりこのメンツだと試験のことかなー。…どうせ合格点いってなかったから落ちてんのにね…。) そう心の中で私は思い、先をいく男子達の後ろをついていった。           ー試験とは1ヶ月前、仙台へ行き、受けてきた第一種電気工事士の筆記試験のことである。まだ一年生の千春とっては難しいものであったが、受かればおそらく女子では県内初となる快挙であった。   その分、周りも熱心に千春を応援していた。       だが、千春は自己採点で合格点60点を下回ってしまっていたのだ。千春がとった点は56点。   もし合格点が下がっても、過去には58点までしか下がったことがない。   落ちたも当然なのであった。         そして今日、試験の結果の発表日なのだ。
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