水鏡の旅立ち

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水鏡の旅立ち

その日の朝、私が最初に見た弟は。 ありきたりな日めくりカレンダーを満面の笑みで破っていた。 彼の、あの、本当に嬉しそうな顔を、私は久しぶりに見たような気がする。 そのときは、それはきっと、十歳になったことに対する嬉しさと優しい両親や友人に祝ってもらえる嬉しさからくるものだとばかり思っていた。 ,
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