正義の生還

6/7
前へ
/53ページ
次へ
入口をくぐって真っ暗な中を見渡したが誰もいない。 すると、足元から光が溢れ出しテント内を一変した。 《白い空間》 影と巨大な扉が勇者の前に現れた。 「随分回りくどい真似するんだな。」 『君のモノマネが視るに耐えなかったから、イジワルしてみたよ。』 「プライベートの侵害だな。いつでも告訴できるぜ。」 『実体の無い僕をどうやって法廷に立たせるかが問題だね。』 「こんなつまらない事をする為に占いを始めたのか?違うだろ?早く要件を言え。」 『つれないなぁ。まぁいいや。 彼がもうすぐそっちに行くよ。』 「そうか、しかし遅かったな。」 『暴れてたからね。』 「おおかた貴様の冗談に付き合ってたんだろ。」 『それこそ心外だ。僕は冗談なんて言わないよ。』 「まぁ、気持ちは分からんでもないが、こっちとの時間差も考えてくれよ。」 『はいはい、分かりましたよ。 じゃあ、伝えたからね。後はよろしくね。』 「ああ、わかった。 ちなみに占いの結果は?」 『えっ、聞きたい? 君がもうちょっと遊んでくれたら教えてあげるよ。』 深いため息と同時に勇者は 「断固、拒否。」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加