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入口をくぐって真っ暗な中を見渡したが誰もいない。
すると、足元から光が溢れ出しテント内を一変した。
《白い空間》
影と巨大な扉が勇者の前に現れた。
「随分回りくどい真似するんだな。」
『君のモノマネが視るに耐えなかったから、イジワルしてみたよ。』
「プライベートの侵害だな。いつでも告訴できるぜ。」
『実体の無い僕をどうやって法廷に立たせるかが問題だね。』
「こんなつまらない事をする為に占いを始めたのか?違うだろ?早く要件を言え。」
『つれないなぁ。まぁいいや。
彼がもうすぐそっちに行くよ。』
「そうか、しかし遅かったな。」
『暴れてたからね。』
「おおかた貴様の冗談に付き合ってたんだろ。」
『それこそ心外だ。僕は冗談なんて言わないよ。』
「まぁ、気持ちは分からんでもないが、こっちとの時間差も考えてくれよ。」
『はいはい、分かりましたよ。
じゃあ、伝えたからね。後はよろしくね。』
「ああ、わかった。
ちなみに占いの結果は?」
『えっ、聞きたい?
君がもうちょっと遊んでくれたら教えてあげるよ。』
深いため息と同時に勇者は
「断固、拒否。」
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