黄昏の夢

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 奇妙な考えを打ち消そうと首を振った。まさか、そんなことがあるはずがない。 「どこにあったんだろう」  拾い上げ、人形の埃を払う。思ったよりも手入れが行き届いている。汚れといえば、降り出した雨に濡れ、泥が付いたぐらいだ。 「綺麗だな……子供に遊ばせておくなど、もったいない」  目利きでなくても、高価であるかぐらいは判る。繊細な顔立ちをしていた。頬に付いた泥を拭い落としてやる。
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