路地裏の黄昏

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「そうですか、生きていますか。良かった……」  涙が止まらなかった。彼女は硝子の瞳で私を見つめている。 「大丈夫。運命は貴方が切り開くものなのですから。――きっと、気付けないだけなのでしょう……」  彼女は古ぼけた御守りを私に手渡した。 「これが導いてくれますよ。大切に持ち歩いてください」  彼女の笑みは、梨華に似ていた。
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