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ママがふったのか、それともふられたのかは解らないけれども、おそらくママにとってはどっちだって、おんなじなんだと思う。
「生きているってことはね、出逢いと別れが繰り返されることなのよ。出逢いにしろ、別れにしろ、歩いていた道が同じになったか、別な道へ行ったか、ただそれだけのことなんですもの。それに、どちらにせよ、無駄だったことなど、ただの一つだってないわ」
二年生の頃、ママの恋人の中でもアタシが一番好きだった若林君(アタシもママもこう呼んでいた)とママが別れた時、泣きじゃくるアタシにママが言った台詞。
ゆるやかに踊るようにアタシを抱き締めながら、子守唄でも歌うように話してくれた言葉。
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