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月弥はあるクラスの前で待たされていた。転校生として紹介をされるのだが、たぶん、噂で流れているのだ。呪われた寮の部屋に来た転校生として有名なのだから。
旭
「では、陽陰君、入ってきてください」
旭に呼ばれた月弥はクラスの中に入っていく。一瞬騒つきが静まった。それは、月弥がとても綺麗だったからである。月弥はその視線を気にせずに旭の横に立ち止まり、教室内を見渡す。目が合った人は皆が目をそらしている。ただ、一人を抜かして。
旭
「自己紹介を…」
月弥
「はぃ。陽陰月弥です。よろしくお願いします」
皆に自己紹介をして頭を下げる。やっと騒めきはじめた。
旭
「では、陽陰君、空いている席に座ってください」
月弥
「はい、わかりました」
月弥は旭に言われたとおりに空いている席に着く。横の席の人は先程目をそらさなかった少年だった。
薫
「俺、朱翼 薫(シュヨク カオル)って言うんだ!よろしく頼むぜ?陽陰!」
月弥
「うん、よろしく」
元気のいい少年、薫は嬉しそうに笑いながら言うので、月弥も少し微笑みながら頷いた。
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