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冬休みも間近に迫り、高校二年というだけあって、受験のことも真剣に考えなくてはならなくなってきた。
だが翔平だけは、それよりもっと重大なことがあった。
古い書籍だけが集められた図書館。
生徒はあまり利用する人は少ないが、義彦のお気に入りの場所でもあった。
その静かな空気の中、騒々しくドアを開けズンズンと義彦に近づいてきた男がいた。
「おぅ翔平。おまえもついに勉強する気になったか?」
「おまえ、千夏とつき合ってたんだって?」
「…千夏から聞いたのか?」
「会える時間がないからって別れたのか?」
「最近忙しくなって、千夏と会える時間が極端に減ったんだよ。あいつを悲しませるようなことは、オレにはできなかった。あいつを想っているからこそ、そうしたんだ」
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