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「何だよ、知らなかったのはオレだけか?」
「まぁうちが義彦と同じ立場だったら、うちも言わないだろうな」
「…?何でだよ」
「だってさ、千夏のことが好きな相手に『オレも千夏が好きでつき合う事になった』なんて、言えないでしょ?」
「オレってそんなに分かりやすい?」
「…?さては義彦にも見抜かれた?」
「…まぁ」
「っつーか気づかなきゃおかしいよね。うちと話す時と明らかに態度がおかしいし」
「…そうか?」
「まぁ、本人には気づいてもらえてないみたいだけど?」
翔平はガックリ肩を落とした。
その様子を見て悠は翔平の背中をバシッと叩いた。
「痛ぇ…んだよ!」
「…らしくないよ。じゃあうち行くわ。翔平も授業に遅れんなよ!」
翔平は図書館から出ていく悠の後ろ姿を見つめた。
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