3/3
前へ
/67ページ
次へ
「何だよ、知らなかったのはオレだけか?」 「まぁうちが義彦と同じ立場だったら、うちも言わないだろうな」 「…?何でだよ」 「だってさ、千夏のことが好きな相手に『オレも千夏が好きでつき合う事になった』なんて、言えないでしょ?」 「オレってそんなに分かりやすい?」 「…?さては義彦にも見抜かれた?」 「…まぁ」 「っつーか気づかなきゃおかしいよね。うちと話す時と明らかに態度がおかしいし」 「…そうか?」 「まぁ、本人には気づいてもらえてないみたいだけど?」 翔平はガックリ肩を落とした。 その様子を見て悠は翔平の背中をバシッと叩いた。 「痛ぇ…んだよ!」 「…らしくないよ。じゃあうち行くわ。翔平も授業に遅れんなよ!」 翔平は図書館から出ていく悠の後ろ姿を見つめた。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

321人が本棚に入れています
本棚に追加