and he went to the left door

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電車が来るまで本を読むのが、彼の習慣だ。 書名は決まって「エドワードの失踪」 ストーリーはある少年の失踪事件。 所謂ミステリー小説だ。 しかしその小説は追う側から展開する話ではなく、逃げる少年からの視点で書かれた話なのだ。 ―自分はこの話が好きだ。 もう何度も何度も読んだが、自分もこのエドワードのようにこの汚れた、自分を囲む世界から抜け出したい・・・・・そう強く思う。 母が嫌いだ 父が嫌いだ 兄が嫌いだ 妹が嫌いだ 女は嫌いだ 男は嫌いだ 人が嫌いだ 世界中の人が嫌いだ そして何より自分が嫌いだ   
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