3人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
ぎゅえええ…っ!なんていう気持ちの悪い声を最後に、魔物は死んだ。
小さかったからたぶんまだ子供の魔物だ。よかった……
まだ時折ぴくぴくと動いているみたいだったけど、きっともう大丈夫。
「ヤスミン、ケガはなかったか!?」
真紅のマントをばさりと言わせながら、ボクは後ろを振り返った。
これはボクの一番のお気に入り。
本当は大事な時しか着けちゃいけないんだけど、今日はヤスミンと遊べる日だったから。
きっと強く、カッコよく見えるはず!
「うう…ひ、ヒック…ぅ……」
両腕にしっかりとバスケットを抱きしめ、ふるふると体をふるわせている。
大きな瞳にはこぼれんばかりの涙。
カッコいい所を見せられたと得意になってたボクは、その姿を見るとなんだか申し訳ない気持ちになってしまって、慌てて彼女の傍に駆け寄った。
「ご、ごめん…大丈夫?痛い所とかない?」
「…なんであやまるの?」
「あ、いや!これはその……」
最初のコメントを投稿しよう!