プロローグ

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ぎゅえええ…っ!なんていう気持ちの悪い声を最後に、魔物は死んだ。 小さかったからたぶんまだ子供の魔物だ。よかった…… まだ時折ぴくぴくと動いているみたいだったけど、きっともう大丈夫。 「ヤスミン、ケガはなかったか!?」 真紅のマントをばさりと言わせながら、ボクは後ろを振り返った。 これはボクの一番のお気に入り。 本当は大事な時しか着けちゃいけないんだけど、今日はヤスミンと遊べる日だったから。 きっと強く、カッコよく見えるはず! 「うう…ひ、ヒック…ぅ……」 両腕にしっかりとバスケットを抱きしめ、ふるふると体をふるわせている。 大きな瞳にはこぼれんばかりの涙。 カッコいい所を見せられたと得意になってたボクは、その姿を見るとなんだか申し訳ない気持ちになってしまって、慌てて彼女の傍に駆け寄った。 「ご、ごめん…大丈夫?痛い所とかない?」 「…なんであやまるの?」 「あ、いや!これはその……」
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