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しばらくすると、彼女も落ち着いたみたいで震えが止まっていた。
「何があったか知らねーけどさ、こんな所にいたら危ないから一緒に警察行こう....俺が送ってくよ」
俺はそう言うと立ち上がり彼女の手を引いた。
うわ....
柔らか....
彼女は一言も喋らずに俺の手を力強く握った。
よっぽど怖い目にあったみたいだな。
ジーンズとトレーナー、特に汚れてはいない。
神社まで戻ると俺は流星号からヘルメットを外し彼女に渡した。
「ほら、これ被って。俺はいいから」
しかし彼女は渡されたヘルメットをじーっと見たまま被ろうとはしない。
「コケたら危ねーから」
俺はヘルメットを取ると彼女の頭に被せた。
彼女は何か不思議そうな顔をした。
流星号に跨り後ろに乗るように言ったが、どうやら乗り方がわからないみたいだ。
「バイク乗った事ねーの?」
彼女は俺の言葉に促されるように、ぎこちなく跨った。
「腰に掴まって!」
流星号が走り出すと彼女は俺にしがみついてきた。
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