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俺の声に女はまた体を動かした。
怪我してんのかな?
助けねーと!
俺は女に駆け寄った。
「大丈夫か?怪我とかしてんのか?」
女が顔を上げた。
え?
白く透き通るような肌....
整った顔立ち....
つまり色白美人だ、しかも若い。
二十歳そこそこくらいに見えるな。
女....いや彼女はゆっくりと体を起こした。
俺を少し怯えたような目で見た。
「大丈夫....安心してくれ、何もしねー」
俺は両手を開いて変な意志がない事を伝えた。
すると彼女は突然俺に抱きついてきた。
「ち、ちょっと待った!」
俺は彼女を落ち着かせようとしたが、彼女は必死で俺にしがみついて離れようとしない。
ま、参ったなこりゃ。
西日が差し込む竹林....
辺りに人の気配なし....
う....
俺のバカっ!
おまえは鬼畜かっ!
状況を考えろっ!
何か事件に巻き込まれたと考えるのが普通だろっ!
彼女が震えているのが伝わってきた。
「大丈夫....もう大丈夫だから」
俺はしがみつく彼女の頭を撫でた。
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