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黒い煙が漂う中、六は刀を持って立っていた。
何と六は刀で弾丸を弾いたのだ。
普通の青年や侍なら、まず命はなかっただろう。
六は紫を睨め付けた。
「いきなり何をする?俺の命を狙うと言うならば、女でも容赦しねぇぞ。」
六の言葉と回りに感じる殺気に、紫は思わず息を飲む。
しばらく長い沈黙が続き、紫は肩をすくめた。
「別にそんなんじゃないよ。ただ、アンタの言葉が気にくわなかっただけ。私は人殺しまではしないから。」
紫はそこまで言うと六に背を向けた。
「アンタ確か、六と言ってたね。その名前、覚えておくよ。」
紫はそう言うと、その場から立ち去り、六も反対方向に向かって歩き出した。
二人の最初の出会いは最悪で、とてもではないが、仲が良さそうには見えない。
しかし、二人は後に、悪党退治屋として共に戦う事になるとは、この時は思いもしなかった。
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