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のどかな昼盛り。
何処にでもある普通の村に、一人の少年がいた。
彼の名は六。
後に悪党退治屋として旅に出る侍である。
しかし、彼は幼き子供…。
旅に出るのはまだまだ先の話である。
そんな彼の足元に、コロコロとボールが転がってきた。
ボールを手に取り、マジマジと見る六。
そこに
「すみませ~ん!!それ、僕のボールっす~!!💦」
と言いながら、一人の少年が駆け寄った。
深緑髪が目元までかかっているこの少年の名はアッシュ。
彼も、後に悪党退治屋として旅に出る一人である。
「これ、お前のか?」
「はいっす!!」
六は両手でボールを持ちながら聞き、アッシュは元気よく頷く。
「ほらよ。」
「ありがとうございます!!」
六はぶっきらぼうに言ってボールを手渡し、アッシュは満面な笑みを返した。
そこにふと、六は思った事を口にした。
「お前、一人で遊んでいるのか?友達は?」
「そんなの…、いねぇっす。僕が…怖いから…。」
「お前が怖い…?」
アッシュの言葉に六は聞き返し、アッシュは寂しそうに頷いた。
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