マンドラゴラ先輩

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久しぶりに星が見えた。   「嬢ちゃんは何で死のうとしたんだ?」   マンドラゴラが尋ねてくる。   「いろいろあるんですよ。青春、みたいな」   ぶっきらぼうに答える。   「いろいろかぁ……俺はうらやましいけどな。抜かれたら30分で死ぬからさ」   「じゃあ伝説になれないじゃないですか」   沈黙。   「ホントだな」   豪快に笑うマンドラゴラ。変わった植物。   「すいません。抜いちゃって」   「あー、いいって。すげぇ嬉しかったし、なんか気持ち良かった」   「…………………」   再び沈黙。星だけが瞬く。静かな夜。   「あっ……でも」   心が自然に言葉を紡ぐ。   「全然、伝説にはなれてないけど、気のせいかもしれないけど、今、なんか生きてもいいかな……とか、思いました」   返事はなく、確認してみると、マンドラゴラは死んでいた。 笑ってるのか苦しんでいるのかもわからない、変な顔。   「……まだ15分しかたってないじゃん」   当然、返事はなかった。              私はマンドラゴラの死体を家に持ち帰り、細かく刻んで全て口にいれた。     死ぬほど苦かった。        
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