プロローグ

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薄暗い部屋の中で6人の男女が話し合っていた。 その部屋は別に明かりがないわけでもないし、電気が通っていないわけでもない。 では、なぜこんな怪しいところで会話をしているのだろうか? きっと、人に見られたくないとか、聞かれたくない話をしているのだろう。 「どうして逃がしたの?」 そしてその中の1人の女が声を出した。 彼女はもともとしゃべるのが苦手なのだろうか、そんなに声を張らずに他の人にかろうじて聞こえるくらいの小さな声で話した。 しかし、その声は少し怒っているようにも聞こえる。 「そっちの方が面白いと思ったからですよ」 「そんなこと上の連中が許すと思ってるのか?」 不気味に微笑む少年の言葉に反論したのは、6人の中で一番の大男だった。 彼も少し怒っているように見える。きっと、不気味に微笑んでいる少年に怒っているのだろう。
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