ユキ

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誰もいない教室に、あたしと有希の声が響く。 『あ、夏子も心配してたよ~。あんな可愛い子に心配かけちゃだめじゃん!』 『いや~、あたしも罪な女だねっ!』 『調子乗んなっ!』 終わりのチャイムが鳴ったとき、 同時に有希、小さな声であたしに言ったよね。 『辛かったら、頼っていいんだからね。』 そして、「トイレ行く。」と言い残し、教室に入ってきた人と入れ違いに出て行った。 チャイムの音にかき消されて、ほとんど聞き取れなかったけど何となく分かったよ。 嬉しかった。 心配かけてごめんね。
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