ハンセイ

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隆太の手には、あたしのシャーペンが握られていた。 『使いやすいから、返すの忘れてた!』 そう言って、くしゃっと笑う。 また、その笑顔。 ずるいよ。 『…ん。』 あたしは、シャーペンを受け取る。 隆太が誉めてくれた、このシャーペン。 お気に入り、渡してよかった。 しばらく指先でくるくる回して、急に思い付く。 数学、頑張ろう。 隆太との共通点を、もっとつくろう。
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