調 -しらべ-

1/4
前へ
/32ページ
次へ

調 -しらべ-

コンコン……。 「……どうぞ」 「失礼いたします。瑠璃様……。お休み中、申し訳ございません」 時は 深夜1時。皆、寝静まったであろうそんな時間帯。 その様な時刻に起こされたのは、一人の少女だった……。 名は 安倍 瑠璃。歳、十七。 場所は、京都・一条戻り橋の近くにある神社……内にある立派な一軒家(豪邸)。 なぜ、この様な時間帯に彼女が起こされるのかと言うとそれは………、あの大陰陽師・安倍晴明の子孫であり、安倍一族、次期・当主だからである。  また彼女は、晴明と同じく【天狐(アマキツネ)】を母に持ち、十二天将を式神に持つ陰陽師だからである。  十二天将とは、人により創られし神で六壬式盤(リクジンチョクバン)と言う呪物に記された神。 朱雀、青龍、白虎、玄武、勾陳(コウチン)、天后、天一、六合、太陰、太裳(タイジョウ)、天空、騰蛇(トウダ)。  大陰陽師・安倍晴明はその持てる霊力にて、神である十二天将を使役(シエキ)し、式神にした。  ・・・・・・晴明の死した後、彼らは、安倍一族の守り神になりて晴明と互角、または互角以上の能力を持つ子どもが産まれるのを待った。そして、1200年経った後1人の娘が安倍の家に生まれた。 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加