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「あれっ!?」
白い羊の大群がいなくなっていた。遠くに白い物が見えるから、きっとこの黒い羊の鳴き声で離れていったのだろう。
俺はそのフワフワした毛に包まれた横腹を手に押し付けている黒い羊に視線を落とした。
「お前、守ってくれたのか…」
いかん!本格的に泣けてきてしまった。
「こんな可愛いのに。グスッこんなフワフワでウ゛ッ 鳴き声もウゥ゛可愛いのに…黒いいやつだなぁ」
見捨てられたと思ったのに、あんなにいっぱいいた羊達相手に、俺を見捨てなかった。いや、むしろこんなことしたら黒が除け者にされてしまうかもしれないのに…
「ありがとう。ゥ゙ッ大丈夫だからなヒックお前のことゎ俺が責任もって飼ってやるからな」
不安と感動と心配と可愛い黒に対する親心!?がぐちゃまぜになって、頭の中もグチャグチャで、俺は泣きながら必死に黒をだきしめた。
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