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とある街の…
とある商店街…
ここにばある猫゙が住んでいる
その猫、黒い毛並みを荒立たせ
その猫、背丈は十分な雄と呼ぶに相応しい体。
その猫、自慢の鍵尻尾を水平に…高らかに。
その猫、まさに…威風堂々
野良猫、彼には名前がたくさんあった。
八百屋はタマ
魚屋は黒
電気屋はショコラ
…すれ違う人は、この商店街の常連猫を思い思いに呼んでいた。
しかし、そのどの名も気に入らないのか…懐く者は居なかった。
店の余りモノを貰う日々…彼には、なんら不満は無かった。
むしろ望んで、懐かず 孤独を選んだ。
彼は幼少より親が居ない。
野良猫であると同時に…捨て猫。
黒い体を
子供達は『魔女の遣いだ~!!』と石を投げる、無邪気な子供の最大の暴力…偏見。
傷付いた体を仲間は忌み嫌った、『疫病神』だと嫌った。
誰ひとり彼を仲間だとは言わなかった…
猫は自由だった、そして何より、孤独を生き抜く力を持っていた
強い猫だ
自分に言い聞かせ、何年も生きた
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