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『お前温かいな』
男は続ける。
『行こう』
鼻をスリスリ擦られ猫は怪訝な顔をした、しかし猫の表情など伝わる訳がない。
男は猫を抱えたまま、商店街のはずれの公園まで歩いた。
男の顔は何故か楽しそう
猫はまだ信用はしていない
『ようこそ、我が家え』
家と呼ぶには…程遠い家
どこから集めた物か分からないが…
家の形は留めていた、中には立派な画材が並ぶ。
「どうだ!!」
とばかりに、笑っている
男は…絵描き。
猫を座らせ…
『動くなよ~』
スケッチブックにペンを走らせる。
猫は動かなかったのではなく、動けなかった。
外との気温差にビックリしている
敷いてある毛布の気持ち良さに驚いた
優しそうだった絵描きの顔が真剣な表情になっていた
眠くなる暖かさ…
刻も間もなく絵描きは、ふーと深い息を吐いた。
『どぅ??』
返されたスケッチブックには、猫がいた。
鏡とは違う、動かない。
不思議になり、前足で触ってみた。
カサカサと音をたてる紙。
『そ~か~、気に入ったか』
嬉しそうに絵描きは話す。
『ここに居ていいぞ』
猫に初めで友゙が出来た日。
これは雪が降りしきる、聖なる夜の出来事
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