~奇跡~

3/3

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
『お前温かいな』 男は続ける。 『行こう』 鼻をスリスリ擦られ猫は怪訝な顔をした、しかし猫の表情など伝わる訳がない。 男は猫を抱えたまま、商店街のはずれの公園まで歩いた。 男の顔は何故か楽しそう 猫はまだ信用はしていない 『ようこそ、我が家え』 家と呼ぶには…程遠い家 どこから集めた物か分からないが… 家の形は留めていた、中には立派な画材が並ぶ。 「どうだ!!」 とばかりに、笑っている 男は…絵描き。 猫を座らせ… 『動くなよ~』 スケッチブックにペンを走らせる。 猫は動かなかったのではなく、動けなかった。 外との気温差にビックリしている 敷いてある毛布の気持ち良さに驚いた 優しそうだった絵描きの顔が真剣な表情になっていた 眠くなる暖かさ… 刻も間もなく絵描きは、ふーと深い息を吐いた。 『どぅ??』 返されたスケッチブックには、猫がいた。 鏡とは違う、動かない。 不思議になり、前足で触ってみた。 カサカサと音をたてる紙。 『そ~か~、気に入ったか』 嬉しそうに絵描きは話す。 『ここに居ていいぞ』 猫に初めで友゙が出来た日。 これは雪が降りしきる、聖なる夜の出来事
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加