SeasonS ～and then～

さよならの前に

真「…いや～、ようやくだな！力！」

由「ってか、遅いくらいだよ。」

真「仕方ねーじゃん。相手があの水月ちゃんじゃ…」

由「ってか、単にコイツが鈍くさいだけじゃないの？」

卒業式の翌日、俺たちは俺の家で卒業祝いパーティをしていた。

俺の家は旅館。

だからこういう時、案外融通がきく。

真「…で、あの後はどうなったんだよ？」

由「そんなの聞かなくったってわかってるじゃん」

卒業式の後、俺は水月に告るつもりが、逆に告られた。

あの祐のことをずっと想っていた水月が、まさか俺のことを『好き』と言うとは……

そしてその後、彼女から聞いた話によると、俺のことはちょっと前から意識していたらしい。

けど、彼女の中では祐のことがまだ踏ん切りがついていないところがあり、それが引っかかって自分でも気持ちがよくわからなくなっていて……

ちなみに俺からのアプローチは冗談だと思っていたらしい。