契り

懐かしき日々へ

「総司、今帰ったぞ。」
ダルそうに、襖を開けながら土方が言った。
「あ、土方さん、近藤さん、お帰りなさい」
まだ幼さの残る笑顔で、総司(沖田総司)は出迎えた。
「またお二人で出掛けてたんですね。いつも私だけ置いてきぼりだ。」
少し拗ねたようにうつ向く。
「そぉ言うな総司、今日は土産があるんだ」
そう言って懐から包みを一つ取り出して渡す。
「わぁ！干菓子！ありがとうございます、近藤さん」
先ほどまで拗ねていたとは、信じがたい笑顔で、一つ取り出して口に頬張る。
あまーい！おいしーい！
と子供の様に手放しで喜ぶ。

「局長！副長！」
ドタドタと廊下を荒々しく駆ける音がする。
バン！
勢い良く障子が開かれると、肩で息をしている原田が立っていた。
「どうした原田。騒々しい」
あからさまに不機嫌になった土方が睨む様に半身振り向く。
「屯所の前に、変な格好の女が落ちてるんだ。」
女だぁ？
更に機嫌を悪くしながら原田に続き部屋をでる。
近藤、沖田もそれに続く。