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『かっつぁん俺ぁお前さんをいつか本物の侍にするのが夢なんだ』
何時もの土手で二人寝転び、声をあげた男は両の眼をキラキラさせながら拳を天へ向け突き出す。
己の夢を嬉しそうに語る姿はまるで幼子の様だ。
突き出した拳を広げ指の間から差し込む陽射しを写した双眼は、先ほどとは少し違う、優しい光を宿し、細く微笑んでいた。
男の名は土方歳三。
新撰組、鬼の副長と呼ばれるのはまだ後の話。
かっつぁんと呼ばれた男の名は近藤勝五郎…
後に新撰組、局長としてなを轟かせる、近藤勇だ。
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