新世界

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夕方になり、急に雨が降ってくる。 「あーあ。夕立だ。」 傘持ってきてないよ。 口を尖らせながら詩乃が文句を言う。 「仕方ない。久々に濡れながら帰るか。」 帰り支度を整えながら葵が立ち上がる。 置いていかれるのが嫌だったらしく、詩乃も渋々立ち上がる。 「あおいぃ、雷鳴ってるよー」 本当に帰るの? 嫌だよー と詩乃が文句を言う。 「仕方ないでしょ。家、近いんだし。」 私たちは、高校に入学してから同居している。 同じ高校だし、何より小学校のころからの親友だった。 …生まれるずっとずっと昔から…親友だった。
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