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夢中で本を読んでいる朋美の背後に、音を立てないよう忍び寄る。
そして背中に手を伸ばし、ゆっくりと近付けて………。
力を入れて、前に突き出した。
立ち読みは行けませんよ、お姉サン。
どんっ、
「っひゃ?」
突然の衝撃に、朋美は声を上げ周囲を見回す。
予想よりもやや大きな声だ。
それはあまり大きいとは言えない店の中に反響し、他の客の目までこちらに向いた。
朋美もすぐにボクに気づき、丸い目を軽く上げ睨んでくる。
心なしか他の視線も痛い。
ちょっと悪戯が過ぎたか?
「本、決まったけど。朋美はどうするの」
素知らぬ顔で訊ねる。
朋美の口は拗ねたように尖り、目尻はまだ下に下りない。
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