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まさか………。
小さい頃の記憶が蘇る。
彼は急に俯いたボクの様子が気になったのか、顔を覗き込もうと身体を屈める。
その時彼の首に、光るものが見えた。
それは忘れようとしても忘れられない、大好きな人が持っているはずのものだった。
紫色の石がついた小さな指輪が通された、銀のネックレス。
両親が“ボクたち”の生まれた時に作ってくれたもの。
ボクの首にはまったく同じ細工の、石だけが紅いものがかけられている。
これを持つのは、世界でたった二人だけ。
ボクと、血を分けた双子の兄だけだ。
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