約束‐2

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凝視されていることに気づいたのか、彼は首元に手を持っていく。 ネックレストップの指輪に触った瞬間指がびくっ、としたように見えた。 銀色の鎖に通された、紫色の石がついたベビーリング。 音信不通の兄が身に付けているはずのものだ。 目の前にいる人はボクによく似ている。 こう思うのは、無駄な期待かもしれないけど。 この人は、兄―――敬なのだろうか。  
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