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「はぁぁ~…」
降りしきる雨の中、一人歩く、瀬川 陸(せがわ りく)。
向かう先は…とある病院。
病院、と言っても、俺がどこか悪い訳じゃ無い。
「ばぁちゃん、大丈夫かな」
そう、祖母のお見舞いである。
これまで病気などという肩書きのものには一切ならなかった超健康体のばぁちゃんが、一昨日、急に倒れたのだ。
それだけで、うちはもう大騒ぎ。
父さんから母さん、妹の舞(まい)まで、まるで世間を騒がす大事件が起こったかのような慌てっぷりだった。
俺もびっくりしたのだが、あとからただの貧血だと分かり、ホッとした。
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