勘違い

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「お兄ちゃん、遅いんだよ!」 「しゃあねぇだろ?委員会があったんだから」 今、病院に向かって歩いている。 横には、妹の舞。 舞は2コ下の中学生。 兄の俺が言うのも変だが、結構モテると思う。 手紙とかを持って帰ってきてるのを何度か見たし。 かと言って、どこぞの漫画みたく、恋愛感情など全く無い。 妹が横にいる、ということは、当然、紫織の所へは行かない。 変に騒がれても困るしな。 今日は、ばぁちゃんオンリーの見舞いだ。 10分程歩き、病院の扉が開き、中に入る。 「あぁ、なんかお兄ちゃん待ってたら、疲れちゃった。遅れた代わりにジュース奢ってよね?」 「えぇ…なんで…」 「つべこべ言わない!」 「はぁ~…」 舞は一度言うと他人の言うことは聞かない、という超頑固者だ。 こいつに旦那なんてできねぇだろうな、と心の中でそっと呟く。 いつもの自動販売機に着き、舞の指差した物を買う。 紫織の好きなブドウジュース…じゃなく、普通の炭酸だ。 舞は、年齢の割りには、どこか大人っぽい雰囲気がある。 周りから見れば、普通のカップルに見えたかもしれない。 陸は気付いていなかった。 カップルに見えるかもしれない、2人の姿を、呆然と見ていた少女が居た事を。
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