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ピューっと風が吹きカラカラカランと、足下に空き缶が転がってくる。みたいな感じで取り残された俺一人。
「またやっちまったよ……」
そう小さく呟くと、俺は重く一歩を踏み出す。
今日は一人でいれる気分でもあるめーの。とか、自分でも何言ってるか解らない支離滅裂なことを考えながら、俺は幼なじみであり親友でもある恭介の家に向かっていった。
――――――問題!
東京でオートロック式のマンションに住んでる俺の友達ってだーれだ?
ピンポーン!
インターホンの音が響くと同時に
「恭介!」
とか言ってみたり。
あー虚しい。虚し死ねる。間違いなくな。
附きながら、頭ん中でドナドナでもループさせようか? なんて考えていた矢先、扉からガチャっと鍵が外れる音がする。
要するに入れってこと。
俺はドアノブを握り扉を開くと、勝手知ったる友の家へと足を踏み入れる。
すると
「いらっしゃ~い」
なんて、可愛く笑いながら迎えてくれる女の子。
ぼかぁ思うよ。
君が友人の彼女なかったら、いますぐにでも食ってしまいたいって!
……自己嫌悪。
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