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すれ違った車
カタンカタン。
電車は何処かへ向かう。
私は行方を知らない。
何故乗ったのかも忘れた。
ただ、いつの間にか電車にいて、発車していた。
こうゆうのもたまにはいいと思う。
電車の窓からすれ違う車が見えた。
すれ違う車はどんどんどんどん離れていった。
ポロッ。
一粒の涙が落ちた。
忘れたはずの記憶は、忘れていなかった。
彼とすれ違ってしまった記憶は。
あの車たちはもう会うことはないだろう。
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