沢山の想い

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すげーな・・・あの迫田先輩から逃げ切るとは・・・。 前から、運動神経並外れた奴って思ってたけど、逃げる事によってさゆりはそれを確実に証明する形になっていた。 迫田先輩からは「里奈からも誘ってくれ」と頼まれるし・・・。 だけど、ヤル気のない奴を無理矢理誘うのは嫌やった。 その上、さゆりとは友達やったし・・・嫌々やらせるのはもっと嫌やったってのもある。 一応、声はかけたけどやっぱり答えは「NO」。 やろうな。 坂口先輩は執拗にさゆりの事を聞き出そうとしてくるし。 この辺りで、既にピンと来てた。 あ、坂口先輩は、迫田先輩に好意を抱いてるんやなーって。 やから、さゆりが目障りなんやろうなーって・・・。 けど、そう言った恋愛観に偏見が全くなかったから、リナはそこにとやかく言うつもりは一切なかった。 ただ、厄介なのは、迫田先輩が(多分)さゆりを好きって事。 坂口先輩はそれに気付いてるっぽいし・・・。 嫌な三角関係の間に入っちまったよ・・・とその時は少し後悔した。 兎に角、先輩らの為にも、この部の為にも、さゆり逃げ切れ!!と、心の中で応援した。
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