約束

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「比奈、どうしたん?」 「・・・の・・・ノートが・・・」 「何の?」 「・・・数学のノートが・・・」 どうやら、朝確認した時持って来ていたノートが机の中からなくなってるのだと言う。 「さっきの体育の授業の時かなぁ?でも教室鍵締めてあったのに、盗まれるかなぁ?」 「う・・・うん・・・」 「なぁ!皆!!比奈の数学のノート知らん?」 私は声を張り上げてクラスの皆に聞いた。 一部でくすくす陰険な笑い声。 犯人あいつら? そう思ったけど、証拠が無い。 どうしよう。 「あーあ、又始まったぁ~。比奈さんって虚言癖あんじゃねー?」 さっきのグループの1人が茶化すように大声で言った。 比奈はそうでなくとも大人しくて、傷付き易い。 そんな事言われたもんやから、比奈は涙をぽろぽろ流し始めた。
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