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――キーンコーン……
本日の最終授業の終了を告げるチャイムが校内に響いた。
「ルナ。今日の帰りさ、クレープ寄ってかない?」
お嬢様風に巻いた黒髪をくるくると弄びながら、親友のミヨリが遊びの誘いを持ち掛けてきた。
クレープ!!行きたい!!食べたい!!
だけど……
「ミヨリ、ごめんっ!!行きたいのは山々なんだけど…この後バイトの面接入ってて…」
「えっ!!また増やすの!?」
「イエ~ス。」
「…はぁ…まぁ仕方ないか……ルナだしね…」
私は別名って呼ばれてる。
嬉しくないけどね。マスターしても全然嬉しくないけどねっ!!
「ごめん、急ぐから!じゃ、また明日!!」
「達者でな~」
ゆったりと手を振るミヨリに別れを告げ、私はパタパタと小走りで学校を出た。
どうして私、望月留那(モチヅキ ルナ)が
こんなにバイト熱心なのかというと……
……それはあまりに簡単な理由。
うちは母子家庭で二人暮らしだから、すごくすごく貧乏なんだ。
女手ひとつでここまで育ててくれて、更には高校にまで行かせてくれたお母さんの負担を出来るかぎり減らしたい……
だから私は稼ぐ!!
毎日毎日バイト三昧。バイトが恋人。
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