第二話

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 誰かに顔を舐められて目が覚めた。 猫の舌特有のザラザラした感触が顔に残っている。 この猫は人の言葉を喋る。正確には日本語。最近やっと慣れてきたが、カルチャーギャップに未だに苦労させられる。 「休みの日だからって寝てんなよ。俺なんか食う物も食ったし、出す物も出したぜ」傍迷惑な猫だ。 しかし、出す物も出したって事は、自分のケツを舐めた舌で僕の顔を舐めたのか! その事について僕が猫に抗議すると「毎朝の食事や用便は健康の第一歩だぜ?思うにこのまま不健康な生活を続けたら、遠からず人間は滅びるね」と逆に抗議された。 しかし、毎朝起こされるたびに用をたした直後のケツを舐めた舌で舐められるのはぞっとしない。 僕は猫のサイズの頭脳でもわかるように説明した。 猫の答えはこうだった。 「じゃあ、あんたが俺のケツを舐めてくれ」
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