母校

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懐かしい道のりを歩き、足を止めた場所は俺が10年前に卒業した高校。 「来てしまったか…」 独り言を呟くと母校を見つめた。 正門から見える校舎はすっかり建て替えられてて様変わりしてる。 だけど、校舎に続く道はあの頃の面影を残したままだ。 正門にある〔南風高校〕の文字に触れると、ひんやりと冷たいが懐かしさで胸が温かくなった。 「よしっ!」 タバコを踏み消して周りに誰もいないのを確認すると門を飛び越えた。 正門へと続く道を歩いてると胸が締め付けられる。 恋しい 校舎に近づくと、はっきりと見える校舎はすっかり様変わりしてしまい何も感じない。 「あの頃とは大分、変わってしまったな」 少し気落ちしてるとふと中庭が見えた。 「へ~」 思わず漏れた声は昔と変わらない中庭を見たせいだろう。 足を進めていくと懐かしさと一緒に想い出が溢れてきた。 「ここで一緒に弁当食べたっけ…」 そこには昔と変わらないベンチが設置されていた。 そう言えば… 何かを思い出したようにベンチの下に潜り込む。 [テル LOVE is トモ 1996]
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