母校

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ライターの薄明かりでようやく見える文字を見つけると涙が零れた。 「はははっ。まだあるよ。」 つき合い始め…、いや違うな。俺が惚れ始めた頃にバレないように彫った文字がそこにはまだ残っていた。 「ダメだ。涙が止まらないや」 ベンチに腰を下ろして暫く伏せていた。 10分位は伏せていただろうか。落ち着いてきた俺は立ち上がり、あの頃と同じ建物。体育館裏に向かった。 壁づたいに進んでいくと、12月の寒さのせいで壁はかなり冷たい。 体育館裏に着くと地べたに座り込み、タバコに火を付けた。 「ここでサボっては、よくタバコを吸ってたっけな。」 吐き出した煙は儚く消えていくが、その煙に当時の友達が映ったような気がした。 胸が締め付けられる。 高3という時期に不登校を決め込み、悪友と道をそれた俺は当時の仲間を自ら切り捨てた。 他にダチがいたから別にいいやって思った事をずっと後悔してた。 それからはクラス会や同窓会にも引け目を感じて行けなくなってしまってる。 ふと、壁に視線を向けると目を疑ってしまった。
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