9人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
それからある場所に向かいながら色々と考えてた。いや、正確には思い出してたっていうのが妥当か。
「懐かしいな」
コンビニから向かってると見覚えのある場所に抜け、ますます切ない気持ちに心が支配されていく。
「あっ!この建物は無かったな」
あの頃と変わらないこの道に少しだけ様変わりしたように建物が出来ている。
あの頃と変わらずにこの町に住んでるがずっと、ずっと通る事を避けてた道。
想い出が多すぎて、ここにくるとあの頃の想いに捕らわれてしまうのが怖かった。
トモを忘れる為に新しい恋をしてみた事もあったが、どうしても心の真ん中にトモがいて、相手を傷つけ、傷つけられて終わる。
缶コーヒーを飲み干して涙を隠すように空を仰いだ。
すっかり暗くなった空には星が輝いててあの頃と変わらず優しく包み込んでくれてる気がした。
吐き出した煙に想いが溢れる。
「逢いたいな。」
たぶん、これが俺の本音なんだろう。ずっと隠してた。思い出さないようにしてた。
思い出せばきっと辛くなる。
そう思い、消そうとした想い。
それなのに何故だろう。またここに来てしまった。
最初のコメントを投稿しよう!