微妙なお年頃

3/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
長女の沙良は絶賛反抗期真っ只中…父親の俺にだけ。 まぁ難しいお年頃なのは分かるが…洗濯物を一緒に洗わないでくれ、は無いんじゃないだろうか。 お父さんは、とても悲しいです。 ガチャリ。 一人ちょっと寂しく立っていると、 ドアが開いて沙良が帰ってきた。 「ただい…げ。」 顔を合わせた途端、「げ」と言われた。 ショックが…ショックがでかすぎる。 「…お母さんは?」 「悟と出かけた。」 「ご飯は?」 「煮込みラーメン、作れってさ。」 「…一緒に作んの?」 「そう…みたいだな」 「信じらんねー」 久々にかなり会話を交わした。 ―小さい頃は、パパのお嫁さんになる!とか言ってくれてたのに… 今じゃ、 「親父」 コレだ。 二文字と三文字のこの違いは何なんだろう。 「用意、しといて。 土鍋と、具材と、包丁と、まな板。」 「え?あ、あぁ。わかった。」 淡々と告げた後、 こちらを振り向かずに、沙良は階段を上った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!