白い簪

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「分かりません。ただ、空は安心するのです。」 何に安心するのかは分からない。 ただ真っ青に晴れ渡っている空の時は、全てが許される気がして心を落ち着かせることができた。 後ろから力強い腕で抱きしめられ、耳元にお主らしい。と優しい声が響く。 力強くしなやかな腕は、全てを包みこんでくれる。 腕に唇を這わすと、そのまま布団へ戻された。 優しく世界が回り、布団に寝かされると視界いっぱいに、あなた様の顔が広がる。 それだけのことなのに込み上げてくるもののせいで、呼吸が苦しくなる。 気持ちを伝える術などわっちには分からない。 こんな世界にいなければこの想いを伝える方法を見つけだせたのだろうか。
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