白い簪

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「そういえばこんなものを街で見かけた。」 支度を手伝っていたわっちの手に白い簪が置かれた。 それは無機質な白い珠。 何にも染まっておらず、白の世界のままの簪。 手にとって光に透かしてみるとそれは美しく光った。 「綺麗…。」 思わず口に出した言葉は白い簪に溶けていった。 その簪は本当に美しく、光に照らすと周りの光を反射しながらも吸収してとても綺麗だった。 「お主の髪に映えると思ってな。」 そう言われ、もらった簪を髪にあてると柏陽様はよく似合う。と嬉しそうに目を細めくれた。
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