白い簪

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「ありがとうございんす。だけどどうして白を選んだのです?」 本当に綺麗な白。 真っ白な簪。 街中でもこれだけのものを見つけるのは苦労しただろうし、それ以上に自分のことを考え自分を想って買ってくれたことが本当に嬉しかった。 それでも、数ある簪の中からあえてこの白を何故選んだのかが気になり、問いかけると柏陽様は窓へと向かい空を見上げた。 柏陽様についていくようにして空を見上げると、空はさっきみたのと同じように光が差し込んでいた。 眩しい。 そう感じて目を細めた。 光に照らされている私はあなた様の目に綺麗に写るだろうか。 わっちの中にある心は、願いは、いつか伝えられるのだろうか。
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