第1章

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(ここが目的地ね・・・) クロスがついたのはどこかの大きな谷。 そこら一面に人やら獣やらの骨が落ちている。 (これはシルバーファングの仕業だな・・・・・・) シルバーファングはどんなものでも噛み砕く牙を持つ狼である。 しかし、習性として骨は食べず、肉だけを食べる。 しかし、噛み付いた時に骨にひび、もしくは折れていることが多い。 ここらに転がっている骨には、それがよく見られた。 (っと、早速お出ましかな?) グルルルル、と声を発している生き物が、こちらに近づいている。 その数、ざっと300匹。 (お、ちょうどいい。 まとめてやれる。) その瞬間クロスは魔法を唱えた。 「"アイス・ウェーブ"」 魔法を詠唱破棄(普通は詠唱が必要だが、それを省いて魔法を唱えること)で発動すると、クロスの前から白い霧のようなものがものすごいスピードでシルバーファングたちを襲う。 霧がすべてを飲み込み、晴れたとき、シルバーファングたちは凍っていた。 「"ブレイク"」 クロスが行った瞬間、凍ったシルバーファングたちは一気に砕け散った。
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